【2023年5月末閉館】ありがとうスマスイ
関西でイベントに出展させていただくと、かなりの確率でお客様の口にのぼる「スマスイ」こと須磨海浜水族園。関西圏の皆さんにとって、幼い頃から親しんだ大切な水族館なのだろうなあということが、すごくすごく伝わってきます。
先日、2023年5月31日をもって閉館してしまったこの水族館にNOTARIが行けたのは、ついに2回だけでした。
1度目は2019年12月、神戸で開催されたいきもにあの後。あまり時間がなくて全部は回り切れなくて、それでもオオサンショウウオの水槽が大きくて、展示資料も充実していて、オオサンショウウオちゃんが優しくて…時間がないと言いつつ1時間粘った私たちに、しなやかな息継ぎシーンを見せてくれました。
このときは「世界のさかな館」にいたのかな、出口の直前くらいだったか、記憶があいまいだけど、ドドーン!という感じで登場した記憶があります。
最初はこんな↑感じでしっぽだけが見えていたんですが、しばらくじっと待っていたら顔をこちらに寄せてくれて…↓アクリル板越しにほっぺを重ねて、さぶに何か伝えてくれたのかもしれません。
「心動かされる生きものを見ると思わず記録に取りたくなる人は、少なくないようです」本当にそのとおりですよね。江戸時代の研究者たちがオオサンショウウオをどう見て、どう描いたのか、素晴らしい読み物記事が展示されていました。↓
さりげなくこういうところにいてくれるのもすごくうれしい!焼き物素材とオオサンショウウオって質感似てて、良いですよね…
そして2度目はつい先日。閉館前にどうしても、、という願いは、約3年間続いた外出自粛が少し緩んだ2023年3月に、無事実現できました。今回は、2022年生まれのパペットオオサンショウウオ、「J.G.サラ万次郎」も一緒です♡
2020年から運営が民間事業者に変わったということで、展示も結構変わったのだとは思うんですが(オオサンショウウオも違うところにいたと思う)、みんなに愛された三角屋根と入り口すぐの大きな水槽の印象は変わっていませんでした。スマスイを語れるほどスマスイを知らないけれど、35年前に建てられて大切に使われてきた建物が醸し出す雰囲気は、同じ日本でこの時代を生きた私にとっては涙が出るくらい懐かしくて、最後に行けてよかったと心から思いました。
↑こういう廊下とか壁とか。光の入り具合とか。80-90年代を感じる。
スタンプラリーに参加したよ!オオサンショウウオスタンプもあって嬉しい♡
スマスイカードを買ったよ。5枚1セットを、姉妹それぞれ5セットずつ購入。よって合計50枚のカードを入手!それでも、ほしいカードが出るとは限らない…ドキドキ。
夜、ホテルで開封の儀を執り行ったのですが、
……これは本当にヤラセとかでなく、
50枚あって、49枚開けてもオオサンショウウオなかったから(レアカードなんだろうなということはわかっていた)、あきらめかけた(ふりをして、心の底では6割信じてた、不思議)最後の1枚を開封したら…
オオサンショウウオ様だったのです~~~~~
スマスイの美しいあの子が、「おまえたち、オオサンショウウオ道を、迷わずにのたりのたりと進んでいけばええんやで~」って言ってくれてるかのような、オオサンショウウオ様のお導きをしみじみ感じた瞬間でした。
さぶと並んで座ってるまるいぬいぐるみの子は、スマスイのショップからこの日にお迎えした「まるさぶ」。まるい…かわいい……
この日も1時間粘って、息継ぎシーンを見せていただきました。前回と同じ子なのかどうか、柄で分かるといいんだけど、今のところ判断できてません( ノД`)
なんと1957年から(当時は須磨水族館)続くスマスイの歴史を、公式サイトから見ることができます。デジタルアーカイブもうれしい♪♪
たった2回しか行けなかったけど、強く心に残る水族館です。素晴らしい思い出をありがとうございました。。。
リニューアルでどうなるのかはわからないけれど、新しい施設になっても、スマスイが私たちに見せてくれた宝物が、ちゃんとその真ん中に輝いている施設であり続けてくれたらいいなあ…
そしてあのオオサンショウウオちゃんはどこに行くんだろう??これからも幸せに暮らしてくれますように。
日本オオサンショウウオの会朝来大会&国際ハンザキシンポジウム
気が付けばもう9月、9月9日「オオサンショウウオの日」まであと少し。そしてブログ最終更新から約1年(;^_^A 1年分のいろいろを、のそのそ書いていきます💻
今年は約3年ぶりに、「日本オオサンショウウオの会」全国大会が開催されました。当初予定では2020年10月開催予定だった、兵庫県朝来市での大会が、2度の延期を経てようやく開催されたんです✨いつもは秋開催だけど、今年は6月でした。
とても素敵な垂れ幕、看板、のぼりに導かれてたどり着いた生野マインホール。
この生野エリアを訪れるのは2度目でした。前回は、レジェンド栃本武良先生がいらっしゃった「日本ハンザキ研究所」の公開見学⇒「オオサンショウウオに会える宿」として有名な「農家民宿まるつね」さん宿泊という、今思い出してもドキドキするような旅を、2018年の4月に実現したのでした…栃本先生にあの空間で一度でもお会いできたことは一生の宝物です。
ちなみに、NOTARIの活動を始めたのはその年の秋、2018年10月のオオサンショウウオ大会(長浜大会)からです。4年後にこの町でブースを出させていただけるとは、想像できなかったなー
実はかなり久しぶりの、ブースに自分たちが滞在しての対面イベント。2019年冬のいきもにあ以来でした。コロナ禍という状況の中での久しぶりのイベントとあって、どうなることかと思いましたが、主催者様・運営様、参加者の皆様のご配慮で、安心して楽しく参加させていただくことができました。
今回も2019年に続いて、ポスター発表もさせていただきました✨
オオサンショウウオという生き物の持つ魅力、神秘性、象徴性、特別さについて、今の私が思っていることを詰め込みました。
聖徳太子の時代から、ただものではない生き物として、記録に残されているオオサンショウウオ。伊賀忍者がリスペクトしてお手本にしたオオサンショウウオ。日本初の博覧会で人気を博したオオサンショウウオ。日本を代表する動物学者、石川千代松博士が、数ある動物の中でもとりわけお気に入りだったオオサンショウウオ。
川の生態系の頂点であり、生物多様性のシンボルになっているオオサンショウウオ。
かわいくてかっこよくて、年代のステージごとに違った魅力を見せてくれるオオサンショウウオ。本気を出したら強いけど、普段はのんびりな川の王様。
小さな目には賢者の趣(あまり見えていない&あまり何も考えていない可能性が高いらしいところがまたかっこいいです)、太古の知恵が全身から発散されているような、この美しく魅力的な生き物は、その姿かたち、進化の歴史、現在進行形の生き方で私たちを魅了し、夢を見せてくれる存在です。
オオサンショウウオが見せる夢がつないでくれる、オオサンショウウオ好きの皆さんとのひさしぶりの再会も、本当に嬉しかった&楽しかったです♡♡♡
ありがとうございました。。。。。
そしてこの朝来、生野の土地が、、、その場所じたい日本の宝のような、、、、とても素敵なところだったんです✨✨✨
オオサンショウウオ人気の立役者!京都水族館のこと
あれは運命の出会いでした。
2013年8月14日、たまたま京都に行くことになりました。夫の仕事が京都であったので、夏休みの旅行も兼ねて一緒に行くことにしたのです。名古屋から京都は新幹線で45分という近さなのですが、そのころまで私はあまり、関西に行ったことがありませんでした。
その前の年にできたばかりの新しい水族館があると知ったのは、ガイドブックで。水族館は大好きなので、近くにあればとりあえず入ります。海のそばでなく、街中に突然ある水族館って面白いな、くらいの気持ちでした。イルカが大好きなので、入館したらすぐにイルカプールに直行しようと思っていました。
新しい、民営の水族館らしいおしゃれな建物。入り口を入ってすぐ、その場から動けなくなりました。そこは「京の川」ゾーン。京都市内を流れる鴨川を再現した大きな水槽には、
ウオウオウオウオウオウオウオウオウオウオウオウオウオオオサンショウウオ…!
茶色いどでかい平たい何かが、折り重なる折り重なる……!!
ゆらゆらゆれて、ぷかーと浮かんでは元の位置に戻る。
折り重なってる下の段の子は、上の誰かが動くたびに、ふまれるけられる。
でも水の中であることと、足がひらひらやわらかそうなこととで、全然痛くなさそう。気にしてなさそう。
時々のそのそと手前に出てきて、あご裏を見せながら水槽のアクリルガラスに手をつく。その手がなんかぷにっとしている。
私たちが動けなくなっている後ろを、人々が「うわ!気持ち悪い」「ぎゃーいっぱいおる」と言いながら通り過ぎていきました。そう、このときは、そういう感想が多かったのです。今ではちょっと信じられないですね。
顔周りにいぼいぼがあって、茶色くて、ぬめっとしていて、しかもでかい。確かにぎょっとするのはわかります。そして、そのぎょっとする、怖さもまた、この子たちの魅力だと、私は思っています。だから今、「気持ち悪い」と言われても、「ふふふ、そうでしょうそうでしょう、素通りできないでしょ、気になるんでしょう」とちょっと誇らしいくらい。
ちなみに私自身は、初見から一度も、「グロテスク」とは思いませんでした。小さい頃とかげとか魚が好きで、きんぎょやめだかやかえるを飼ったり庭でつかまえたとかげをピンクの虫かごに入れてどこにでも連れて行ったりしていたので、ぬめっとしてたりこういう感じの生き物に対して自然と心が開いていたことと、2010年ごろから古生物好きの妹に誘われて恐竜展によく行っていたことが大きかったと思います。大学は法学部だったし、当時の仕事は家電マニュアルのライターでした。このように、生き物とは無縁な生活でしたが、こどもの頃に芽生えた「好き」は、小さな炎ながらも消えることなく宿っていたようです。
京都水族館にはほかにも魅力的な生き物展示がいっぱいで、お目当てだったイルカショーも、背景が街中というシュールさ&音楽やトレーナーさんの衣装の完成度も高く、イルカたちもかっこよくてとても楽しかったです。館内のカフェで食べたかき氷もおいしかったし、大満足…と言いたいところでしたが、もう一度最初のあの水槽に、戻らずには帰れませんでした。
この日二度目のオオサンショウウオ水槽。顔真似もしました。
観光地でよくある写真サービス、結構撮ってもらって購入するんですが、ここで初めて抱っこさせてもらったこの京都水族館オリジナルオオサンショウウオぬいぐるみ…
そして最後に立ち寄ったショップで、運命のこの子をお迎え。
オオサンショウウオぬいぐるみSサイズ…
レジで会計時にスタッフさんが「オオサンショウウオお買い上げ~♪」と叫んだ時にはびっくりしましたが、その後ショップ内にいたスタッフさんが全員で声を合わせて「ありがとうございま~す♪♪」と合唱してくれて感激しました。。。
この子は山椒魚大きょうだい「さぶズ」の長男「さんきち」として、今日にいたるまで私の人生の支えとなってくれています。無人島にひとつ持っていくならさんきち。さんきちには私の人生のエッセンスが詰まってるのです~
大水槽にいるオオサンショウウオたちは、実は交雑種。日本のオオサンショウウオと近縁ながら別の種であるチュウゴクオオサンショウウオを人が高級食材等として持ち込んだのが原因で、鴨川では交雑が進み日本在来種がほとんどいなくなってしまったという、問題をはらんだ存在でもあります。
それでも、水族館でこうして姿を見せてくれるこの子たちが、オオサンショウウオのファンを確実に増やしたのは間違いなく、オオサンショウウオという生き物のプレゼンスを大きく高めてくれたといえるでしょう。
そして京都水族館が次々に繰り出してくれる、オオサンショウウオのキュートな企画と商品たち。。。京都行きたいよ~~~
京都水族館の申請により制定された「9月9日オオサンショウウオの日」、今年も盛り上がりましたね♪ねむリウム幸せだった、今この瞬間にもあの水槽でオオサンショウウオたちが…って思うだけできゅんとする。私は一時間ちょっとで寝落ちしました。。
ちなみに京都水族館には、日本在来種のオオサンショウウオも一頭います。ここでは孤高の存在ですが、堂々たる威厳を感じます。
こうしてオオサンショウウオに「一目惚れ」したのですが、その後も気持ちは深まるばかり。オオサンショウウオについていろいろ調べて知るほどに、私にとってオオサンショウウオがなぜこれほど特別なのか、見えてきました。
この当時私は、周りの人たちはみんな何か自分のやるべきこと、人生のテーマを見つけて頑張っているのに、私だけがそれを見つけられず怠けていることに、とても強い焦りを感じていました。もちろん色々探したし、これか?と思うものもいくつかありました。が、あと少し何かが足りず、やはり頑張れない…怠け心が勝ってしまう。たぶん、怠けることが私にとってとても大切なことなのだと思います。怠ける時間と引き換えにしてまで頑張ってやり遂げたいことなど、そう簡単に見つからなくて当然だと、今は思います。ただ、当時は時代の空気もあって、流されやすい私は自分を責めてばかり、責める割にはやっぱり怠けたいので、ふたりの自分に板挟み。
物心ついてからずっと持ち続けていた「頑張らなきゃいけないのに頑張れない罪悪感」が肥大化して追いかけてきて、あらゆる逃げ道を試したものの逃げられず、もう道がなくなりつつありました。何も成し遂げられず輝けず、人生、完全に失敗した…と常に後悔していました(人には恵まれているので、夫や家族、友達の存在は光でした✨そのことは当時も今も、とてもありがたい、しあわせなことだと思っています。でもいつも助けてもらってばかり、与えてもらってばかりで、逆をできる力が自分にないのって結構つらかったり)。明るく元気で常に前向き、日々時間を無駄にせず、自分の決めた目標に向かって努力を積み上げる、、そんなふうになりたいのに、そうでなければいけないのに、どうして私はそうできないのか。どうしてこんなに怠け者でダメなやつなのか。人生を賭ける目標がなぜ見つからないのか。
いうなれば、イルカショーで美しく引き締まった体をきらきら輝かせながらジャンプする、日々トレーニングで新しい技を身に着け磨きをかけていく、あのイルカのようになりたくて、でもなれなくて、、、だってそもそも自分が出たいショーがないんだもの…
ところがこちらのオオサンショウウオはしわありぬめぬめ地味な外見、でもよく見るとなんともいえない味がある…あごの裏とか背中の線とか最高に官能的。両生類の中で破格にでかい世界最大級、野生では普段単独行動、省エネ岩陰待ち伏せ型、お気に入りの場所から動かずに目の前に来たものをとりあえず丸のみ、、、でも狩りの瞬間はめちゃくちゃ素早い、繁殖シーズンだけはすごく頑張る、そして本気で泳ぐと速い。変態して肺呼吸になっても基本的にずっと水から出ないで皮膚呼吸の割合が多い、たまに肺呼吸するときはだるそうに水面に出てきて鼻先だけ出してスーーーーーーーーーと呼吸する、、不思議な両生類。
たぶん全然キラキラしてない。イルカみたいなショーとか絶対出ないと思う。トレーニングとかぜーったいしないと思う。なのに異常に、人を惹きつける魅力がある。
こういう生き方もあるのか…と、知れば知るほど惹かれていきました。
ヒト以外の生き物に、ヒトの生き方を当てはめて考えるのは、場合によっては良くないと思うのですが、、オオサンショウウオはちょっと特別扱いしても良いような気がしています。なにしろ学名が「Andrias japonicus」、「人のようなもの」というくらいだし…それにヒトが何を言おうと、自分たちに何を勝手に投影しようと、悠久の時を泳いできたオオサンショウウオにとっては、どうだっていいのではないでしょうか。
オオサンショウウオの、この、地味ながらただものではない複合的な魅力が、今多くの人々を惹きつけ始めている現実を思うと、
人間社会もある面においては、良い方向に変化をしてきているのではないか?と、しみじみ嬉しくならずにはいられません。
とはいえオオサンショウウオが直面している現実問題は山積み。私も本気をださないと、時間切れになるまえに…!※↓コロナ前です、、マスクは花粉症です。
【思い出】日本両棲類研究所のチュウゴクオオサンショウウオ
たまたま見たインスタグラムで知ってショック…
栃木県日光市、中禅寺湖のほとりにある日本両棲類研究所で飼育されていたチュウゴクオオサンショウウオの「トラちゃん」が、先月他界していたと。推定年齢74歳、65年間飼育されていたそうです。
コロナウィルス感染拡大前夜の2020年2月、NOTARI姉妹でお会いしていました。
その日は休館日だったのですが、展示飼育部長の関慎太郎さまがちょうど施設にいらっしゃるタイミングだったので、案内していただけました✨なんて贅沢。
日光から40分ほど、31番大崎バス停を降りると、三角屋根の特徴的な建物が。
「サラマンダーの水族館」日本両棲類研究所です!
入り口のオブジェからしてテンションが上がります。
アカハライモリって、地域ごとに柄が違うんだそう!このときは鋭意収集中だった愛知県のアカハラちゃんのお部屋にも、今は入居者いるかな?
小さなサンショウウオちゃんやカエルちゃんたちがいっぱいいて、どの子もみんな個性豊かでかわいかったです♡
でもやっぱり、一番心を奪われたのがこの方でした。
どの角度から見ても美しい…
ちょうどこの少し前に、それまでは一種だと思われていたチュウゴクオオサンショウウオが少なくとも三種には分かれるらしい、というのがニュースになっていて、こちらのトラちゃんはその中でも最大サイズの新たに学名がつけられた「Andrias sligoi」らしいということで…ものすごく興奮しました。
印象としては、頭がとっても大きくて立派な感じがしました。
↓ナショジオの記事
色合いもとても上品な青みブラウンで、たぶん濃い色の地に少し薄い斑紋がある感じ…
銭湯みたいなタイルの水槽の中を歩き回る姿が可愛らしくて、でも優雅で威厳があって
忘れられない美サンさんでした。動画はこちらから↓
日本両棲類研究所のチュウゴクオオサンショウウオさんが先月他界されたそうさぶ😢
— さぶ@さんしょううお(NOTARI sub-leader) (@53dewaruika) 2021年8月11日
昨年2月にお会いできて、優雅で堂々とした姿に心を奪われたさぶ。
推定年齢74歳、65年間飼育されていたと。どうぞ安らかにお休みくださぶ、
ありがとうございさぶでした。 pic.twitter.com/QVTqb87Cdl
今回の記事は、私のスマホに収まってくれた、トラちゃんの美しい姿をただひたすら讃えることで、追悼の意を表したいと思います。
日本のオオサンショウウオちゃんもすごくかわいい子がいましたし、ほかにもみどころいっぱいの施設なので、そのご紹介は次の記事で。合掌。
【開催中】オオサンショウウオが登場! ヤマザキマザック美術館 「名古屋城から始まる植物物語」展
1919年創業の工作機械メーカー「ヤマザキマザック株式会社」に隣接するヤマザキマザック美術館は、2010年に創立された美術館です。初代館長の山崎照幸氏が蒐集した絵画、アール・ヌーヴォーのガラスや家具等のコレクションが心ときめく空間なのですが、特別展もわくわくするものが多いです。
今回たまたま駅で見つけたパンフレットがすてきだったので行ってみました。これは絶対に行かなきゃって思ったのは見開きパンフレットにこちらが載っていたから。
小原二郎先生の「大山椒魚」の表紙にもなっているこの絵は、
『元昌平坂聖堂 博覧会図』1873年(明治6)昇斎一景
というもので、「雑花園文庫」というところの所蔵らしい…
日本で初めての博覧会で、会場の真ん中に名古屋城から降ろされた金のしゃちほこ(オス)が、そしてその手前に白磁の甕に入ったオオサンショウウオがドドーンといるって、なんか結構すごくないですか…名古屋市民にしてオオサンショウウオファンのわたしとしては嬉しくってそわそわしちゃいます!ちなみにこのオオサンショウウオは、「大和吉野産 サンショ魚」と名札に書かれています。
小原先生の著書によると、この博覧会で展示されていた動物は、のちに上野動物園となる施設が管理していたそうなので、上野動物園のオオサンショウウオ展示には歴史があるのですね。。。
さてこの特別展のコンセプトやみどころについては公式サイト↓を見ていただくのが一番かと。なんと名古屋城の天井板絵も見られます!!
名古屋で動植物に少し関心を持って過ごしていると、なんどとなく目にするのが「伊藤圭介」という方のお名前。東山植物園にも「圭介の庭」という花壇があったり、そこかしこに登場します。
実はこの伊藤圭介先生は、尾張の本草学者にして、日本で初めての理学博士、そして「おしべ」「めしべ」「おばな」「めばな」「花粉」という言葉を作った大先生なんだそうです!!
愛知県のような微妙な土地(ごめん!でもそんな愛知県が大好きです)で生まれ育ち、いったん首都東京に出たことがあったりすると、地元の名士的な人がどれだけ偉大な大物なのかわからなくなったりすることがあるんですが、、
すごい人だったんですね(;'∀')なんというかいい意味ですごく普通の名前だから余計にびっくりした。きっと知識がある方にとっては常識なんですよね…🙇
シーボルトとも交流が深く、シーボルトをして「余は圭介氏の師であるとともに、圭介氏は余の師である」といわしめたほどの人物なんですと。。
(ちなみに「ごんぎつね」の新美南吉も、母の実家のすぐそばに生家があって記念館とかがあるので、幼い頃からおじいちゃんに「南吉のことを勉強しよう!」といろいろ本をもらったり記念館に連れて行ってもらったりしてたし、高校の大先輩でもあったので身近に感じてしまい、地元で有名なだけだと思ってた💦全国区の偉大な童話作家だと知ったときは驚きました…)
今回の展示でも伊藤圭介とシーボルトは大活躍です✨
そしてくだんの絵なんですが、本物は写真以上に色も鮮やかで、感動して震えてしまった…
そして、同じ博覧会を描いた「古今珍物集覧」という錦絵も展示されていました。描き方は違っているけれど、しゃちほことオオサンショウウオが中心にドドンといるのは同じ。。
しかしオオサンショウウオは、これだけじゃありませんでした。
わたしも完全にノーマークでふらっと見た絵に登場して驚いたんですが、
江戸末期の「尾張名所図会 前編 巻二」(1844年)に描かれている、「尾張医学館」で開催された「薬品会」の様子…本草学研究会のイベントとのことなので、どんな意図で展示されていたかを考えるとちょっと うう😢 ってなりますが、蛇が脱皮した皮やクロダヌキ、双頭蛇などとともに「てい(魚へんに帝)魚」という平たい頭のかわいい生き物が、たらい?に入れられている姿が。…オオサンショウウオですね…!
平日のお昼頃だったのでほぼ貸切状態で、三つの絵の前を何度も行ったり来たりして、至福の時間を過ごしました。
本物のオオサンショウウオを見るのはもちろんなのですが、オオサンショウウオとともに生きてきた日本人の子孫として、こうした展示や文化財の中の彼らに出あえることにも非常にときめきを感じます。
会期は8月29日までと長いので、お近くの方はぜひ訪れてみてはいかがでしょうか♡
図録も買ったよ~小さめサイズで500円くらいという買いやすさ✨
表紙の素敵な植物と鳥の絵は、尾張が誇る地場産業「七宝焼」を超絶技巧の域に高めて世界へと羽ばたいた七宝大壺!地の色も「茄子紺」という尾張七宝特有の色らしいのですが美しかったです…🍆さぶもバッグから顔を出してつぶらな瞳を輝かせて見入っていました👀
東山動植物園の半券か年パスを受付で提示すると、写真のかわいい付箋がもらえます😊↓
【オオサンショウウオに会える!水族館】碧南海浜水族館
私の実家は、愛知県の西側、伊勢湾と三河湾に囲まれた知多半島の、真ん中あたりの伊勢湾側、常滑市にあります。
一番近い水族館が、お隣の半田市から海底トンネルを通って行く、碧南海浜水族館。1982年に開館した水族館で、2019年にリニューアル工事をしたそうです。
私が小さい頃は隣に大きな屋外プールがあって、夏になるとプール→水族館のコースに連れて行ってもらえるのが心底楽しみでした。プールはなくなってしまいましたが、現在、この水族館でもオオサンショウウオが飼育されているらしい…!
ということで、昨年末に、母と妹と三人で、久々に行ってきました。
屋根の上の四角いところの魚の絵、昔から変わっていない気がする。
↓あの絵がロゴマークになってる!チョウチョウウオかな?かわいい~
大水槽の前に炬燵とみかんがあって、フォトスポットになってた♡
クリスマス時期だったので、さぶはトナカイマントを着ています。
大水槽には、地元の三河湾・伊勢湾の魚たちがゆうゆうと泳いでいます。母がなんだか斜に構えているのはなぜ。↓
この大水槽の「ぬし」と呼ばれる、大きなチャイロマルハタがどこかにいるとのこと。2011年に高知県沖で網にかかり、水族館で飼育されることになった当時、体長は40cm前後だったそう。大水槽の中央付近にあった擬岩の空洞を気に入って定位置にしていたら、体がどんどん大きくなって、穴から出られなくなってしまったらしい…!まさに、井伏鱒二の「山椒魚」。
2019年のリニューアルで岩を解体したところ、姿を現したこの子の体長はなんと120cmになっていたんだそうです!!!オオサンショウウオでもそこまで大きい子はそうそういないよね~
すごく見たくて、探したけれど見当たらず。スタッフさんにも聞いてみましたが、今日は出てきていないですね…とのことでした。大水槽の右隅あたりが今の定位置らしいのですが。。残念。いつか会えるといいな。
ここのクエさんはすらっとした青年感のあるかっこいいお方でした。ドキドキ。
↓の解説によると、↑はハナミノカサゴですね。小5の自由研究でこのあたり、調べたような気がする。この水族館で。自由研究っていいよね。。。
淡水魚も充実♡希少淡水魚の保護・展示にも力を入れているとか、、
そして…キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
ハイブリッドの、かなり大きくて立派なオオサンショウウオちゃん!!交雑の事実も淡々と説明されていて、私は個人的にはこういう説明すきです。
ダークめな色合いの、美ボディな子です♡♡
「大きい」ことのメリットについての説明も。陸上を歩いてるときはちょっとしんどそうだけど、水中ですい~~と動いてるときには体重も苦にならなそうだよね。
外来生物のふるさとマップも↓
実家で30年以上飼っているクサガメちゃん(ホームセンターで買ってもらった。ペットを買ってもらったのはもしかしたらこの子だけかも。長生きしたきんぎょは電気屋さんの夏祭りでもらった子だったし、猫たちは二匹とも野良猫ちゃんだった)も、大陸出身なのね。
こぢんまりした水族館だけど、かなり大満足な展示でした。
さて、水族館の重要なお楽しみの一つはお土産探し!
碧南海浜水族館のショップは、星の砂が入った小瓶、きれいな貝殻の詰め合わせ、ガラスでできたお魚のイヤリング、「美人専用」って書いてある透明なクリスタル風のイヤリングなど、今でもはっきりと記憶しているお土産たちを買ってもらった夢のお店です。私もいつかお宝を並べたショーウィンドウの後ろにたたずむ魔女みたいなおばあさんになりたい…しわしわで薄い体で茶色いシフォンのドレスとか着て、コジェットカエル部さんの大山椒魚柄タイツは常にストックをかかさなくて、ぬめっとしたエナメルのヒール履いて。正体はオオサンショウウオらしいよって噂されて不気味がられたい…
そのショップのプライスタグやPOPに、、、なんとなんとオオサンショウウオが!フィーチャーされている!!!なんてこったすばらしい!!!!!
鎮座してたはずのリアルサンショウウオ、、どこいった?
わーい!指の数もちゃんと、手が4本、足が5本!!細かくてギザギザの歯もあって、喜びでしっぽがゆれている~♡♡♡
↓↓↓鎮座していたリアルオオサンショウウオは、、、無事うちの子に…なっていただいたのでありました!!ちょうどこの時期結婚記念日だったので、母がお祝いに買ってくれた( ´艸`)ママありがとう♡↓↓↓碧水の子によく似た、ダークな色合いの美サンちゃん✨
先住のさぶたちとも仲良くなったよ~
今年3月には屋外ビオトープエリアも完成したとのことなので、また行きたい!
【オオサンショウウオに会える!水族館】志摩マリンランド(2021年3月末営業休止予定)後編
オオサンショウウオやメダカたちのいるエリアから進むと、ついに、志摩マリンランドの目玉「マンボウ館」!
この子たちが体を横にして海面に浮いてたらびっくりするな。浮いてるときは何をしているんだろうか?調べてみよう。 卵をたくさん産むことは有名ですね。
私が行った日は春休み前で朝早かったこともあり、貸切状態でゆったりとたゆたうマンボウたちを眺めさせていただきました。ここは外界から切り離された別世界…
ひらがな表記の「まんぼう」も味があってよいです。このフォントがまた…隣のイラストも。よいです…(語彙力不足を痛感)。
まぶた(的な器官)あるんだ!
なんとなく親近感を感じる…寿命がはっきりわかっていないところや、意外と速く泳げるけどゆったり泳ぐのがすきなところなど、オオサンショウウオと少し似てる。
記念メダル!なんと現在は売り切れてしまっているようです💦私が行ったときは、ひともまばらなマンボウ館に大きなストンプ音が響き渡ってドキドキしました…マンボウたちはびっくりしたりするのかな。耳は良いのだろうか
オオサンショウウオとマンボウを無事見て、メダルも作って安心したところで、、もう一度一周して他のお魚たちの展示も楽しみました。かわいいな。なつかしいな。私にとって水族館の原風景のひとつなんだろうな…(もうひとつは間違いなく碧南海浜水族館)。
クエとホンソメワケベラは、小学校の読書感想文の課題図書「海からとどいたプレゼント」で出てきて…あの物語がいちばん伝えたかったことは違うことだったかもしれないけど、私にとって水の世界への入り口だったな。主人公の女の子が、水族館で保護されていた、傷ついた(このあたりはうろ覚え)コバルトスズメっていう青い魚をもらってきたんだけど、この魚が実は空中を泳いで会話もできて、海で亡くなった青年兵の母への最期の言葉をクエのおじいさんから預かっていて(青い魚は人と話せる能力もクエのおじいさんから授かったんだったかも)、その母を探すのを手伝う、、そんなストーリーでした。私はとにかく魚と会話したくて、、、家の金魚を毎日凝視して、話しかけてくれるのを待っていた…それ以来、自由研究を水族館でやったり、運動が苦手な私のために両親がせめて泳ぐことだけはと通わせてくれてたスイミングスクールも、それまでよりは苦ではなくなった気がする。泳ぐことができたら、いつかこの素敵な魚たちの世界に、私も近づけるかもしれないと無意識に思ったのかも。などなど思い出していたらうるうるしてしまい…前回志摩マリンランドに来たのはたぶんちょうどそのころだった( ;∀;)30年くらい前!マリンランドも私も若かったな。そして今も変わっていない部分がこんなにあるとは。。。。。
一人で来ても写真が撮れるプリクラはありがたいです( ´艸`)一人で撮ったの初めてだし、プリクラ(今もそう呼ぶのかどうかさえ知らない)じたい何年ぶりかわからない…ほかに誰もいなかったので、いろいろと存分に堪能させていただきました。
屋上の展望台からの景色。浮かんでいるのは真珠養殖筏。英虞湾の風光明媚な景色、早咲きの桜なのか違う花なのか、きれいな花も咲いていて絶景。
志摩マリンランド、51年間ほんとうに、ありがとうございました。
営業再開のニュースを楽しみに待っています…どうか…!!!