さぶろぐ

ぬいぐるみサンショウウオ「さぶ」たちの、旅と日常の記録です。

オオサンショウウオとヒトとの出会いは…

初めてオオサンショウウオという生き物を間近で見たときの衝撃は、忘れがたいものがあります。すでにおとなになって久しく、それまでにまあまあいろんな生き物を見てきたつもりでした。

子供の頃から泳ぐ魚が好きで、金魚やメダカはもちろん、庭を走り回るトカゲやカナヘビや蛙をつかまえて飼ったり、小学生のときにホームセンターで買ってもらってクサガメを飼ったり(30年以上経って立派な黒化オスとなった彼は、今も実家で元気に生きています)。おとなになってからは、ジュゴンやイルカなどに惹かれたりしていました。

前年に開館したばかりの京都水族館に遊びに行き、イルカショーを見たくて、入館後すぐにスタジアムへ行こうと急いでいました。入口すぐの「京の川」ゾーン、低めで幅広な水槽に展示されていた、折り重なるたくさんのオオサンショウウオたち(交雑種)。

そのうちの一匹が、岩のように見えていた一匹が、呼吸をしようとしたのでしょう、水底からふわあと立ち上がり、短いまえあしをぷらんとさせながら、平たいあご裏を惜しげもなく、水槽のガラス(?アクリル?)越しに見せてくれたのです。

釘付けになりました。水槽の前にしゃがみこんだまま、動けませんでした。

なんといっても驚くのは、このタイプの生き物としては破格のサイズ感。でかすぎます。

実際、サンショウウオの仲間の中で、オオサンショウウオ科の子たちだけが、急に別格のでかさなのです。ざっくり大きく分けて、日本固有種のオオサンショウウオのほか、チュウゴクオオサンショウウオ※、アメリオオサンショウウオヘルベンダー)の3種類がいますが、いずれも成体の全長は30cm以上、特に大きいものだと150cmくらいになる個体がいる種も。

※チュウゴクオオサンショウウオの種については、1種だと思われていたのが実は少なくとも5種以上に分かれていたことが判明したそうです。最新の研究がどうなっているのかは追い切れていないのですが…ご存じの方、ぜひご教示ください!

natgeo.nikkeibp.co.jp

ほかのサンショウウオたちは10cm台の子たちが多いので、やはり異常にでかいといえるでしょう。

 

動物園や水族館でオオサンショウウオの水槽の前にしばらくいると、こんな会話をよく耳にします。

「川でいきなりこんなんいたらびびるよな~」

「こわすぎwww」

私は半島育ちで、磯の生き物にはなじみがありますが、川遊びってほとんどしたことがありません。郡上でカヌーに乗ったことはあるけど、生き物に出会えるような感じじゃなかった。もし日常的に川で遊んでいて、岩の下からこの子たちがぬっと登場したら、、どんなふうに感じるんだろう?

そして2300万年前から姿を変えずに存在しているというオオサンショウウオは、人類よりもずっと前から日本列島に棲んでいるはず。人間が初めてオオサンショウウオに出会ったのはいつなんだろう?オオサンショウウオとヒト、両者は互いにどんなふうに感じ、どんな関係を築いてきたのだろう。そんなことを知りたくなった、2021年のお正月。

 

今年のオオサンショウウオ初めは、私の最愛推しサンである、東山動物園のお外水槽オオサンショウウオちゃん(ちなみに女の子だそうです)。オオサンショウウオの体の色はほかの両生類と同じように、周りの環境に合わせて多少変化するそうです←東山動物園でこの子の担当をしてくれている飼育員様に教えていただきました✨。…そういえばアマガエルが、葉っぱの上では緑色、石畳に飛び移ったら霜降りグレーになる瞬間を目撃してめっちゃくちゃ興奮したのを思い出す…!が、このレディは冬、特に綺麗な色をしている印象があります。昨日はお水が澄んでいたこともあるのか、一段と美しいブラウンでした。小さなおめめもくりっとしていて、奇跡の生き物オオサンショウウオの魅力をあらためて堪能させていただきました。

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東山動物園お外水槽のオオサンショウウオちゃん