さぶろぐ

ぬいぐるみサンショウウオ「さぶ」たちの、旅と日常の記録です。

【オオサンショウウオに会える!水族館】碧南海浜水族館

私の実家は、愛知県の西側、伊勢湾と三河湾に囲まれた知多半島の、真ん中あたりの伊勢湾側、常滑市にあります。

一番近い水族館が、お隣の半田市から海底トンネルを通って行く、碧南海浜水族館。1982年に開館した水族館で、2019年にリニューアル工事をしたそうです。

私が小さい頃は隣に大きな屋外プールがあって、夏になるとプール→水族館のコースに連れて行ってもらえるのが心底楽しみでした。プールはなくなってしまいましたが、現在、この水族館でもオオサンショウウオが飼育されているらしい…!

 

ということで、昨年末に、母と妹と三人で、久々に行ってきました。

www.city.hekinan.lg.jp

f:id:subrothers:20210408113336j:image屋根の上の四角いところの魚の絵、昔から変わっていない気がする。

f:id:subrothers:20210408153322j:image↓あの絵がロゴマークになってる!チョウチョウウオかな?かわいい~

f:id:subrothers:20210408113339j:image大水槽の前に炬燵とみかんがあって、フォトスポットになってた♡
クリスマス時期だったので、さぶはトナカイマントを着ています。

大水槽には、地元の三河湾・伊勢湾の魚たちがゆうゆうと泳いでいます。母がなんだか斜に構えているのはなぜ。↓
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この大水槽の「ぬし」と呼ばれる、大きなチャイロマルハタがどこかにいるとのこと。2011年に高知県沖で網にかかり、水族館で飼育されることになった当時、体長は40cm前後だったそう。大水槽の中央付近にあった擬岩の空洞を気に入って定位置にしていたら、体がどんどん大きくなって、穴から出られなくなってしまったらしい…!まさに、井伏鱒二の「山椒魚」。
2019年のリニューアルで岩を解体したところ、姿を現したこの子の体長はなんと120cmになっていたんだそうです!!!オオサンショウウオでもそこまで大きい子はそうそういないよね~

f:id:subrothers:20210408153306j:imageすごく見たくて、探したけれど見当たらず。スタッフさんにも聞いてみましたが、今日は出てきていないですね…とのことでした。大水槽の右隅あたりが今の定位置らしいのですが。。残念。いつか会えるといいな。

ここのクエさんはすらっとした青年感のあるかっこいいお方でした。ドキドキ。
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f:id:subrothers:20210408153318j:image↓の解説によると、↑はハナミノカサゴですね。小5の自由研究でこのあたり、調べたような気がする。この水族館で。自由研究っていいよね。。。
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淡水魚も充実♡希少淡水魚の保護・展示にも力を入れているとか、、
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そして…キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
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f:id:subrothers:20210408153236j:imageハイブリッドの、かなり大きくて立派なオオサンショウウオちゃん!!交雑の事実も淡々と説明されていて、私は個人的にはこういう説明すきです。

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f:id:subrothers:20210408160533j:imageダークめな色合いの、美ボディな子です♡♡
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f:id:subrothers:20210408160550j:image「大きい」ことのメリットについての説明も。陸上を歩いてるときはちょっとしんどそうだけど、水中ですい~~と動いてるときには体重も苦にならなそうだよね。

外来生物のふるさとマップも↓f:id:subrothers:20210408153249j:image

 実家で30年以上飼っているクサガメちゃん(ホームセンターで買ってもらった。ペットを買ってもらったのはもしかしたらこの子だけかも。長生きしたきんぎょは電気屋さんの夏祭りでもらった子だったし、猫たちは二匹とも野良猫ちゃんだった)も、大陸出身なのね。f:id:subrothers:20210408153252j:image

こぢんまりした水族館だけど、かなり大満足な展示でした。

 

さて、水族館の重要なお楽しみの一つはお土産探し!

碧南海浜水族館のショップは、星の砂が入った小瓶、きれいな貝殻の詰め合わせ、ガラスでできたお魚のイヤリング、「美人専用」って書いてある透明なクリスタル風のイヤリングなど、今でもはっきりと記憶しているお土産たちを買ってもらった夢のお店です。私もいつかお宝を並べたショーウィンドウの後ろにたたずむ魔女みたいなおばあさんになりたい…茶色いシフォンのドレスとか着て、コジェットカエル部さんの大山椒魚柄タイツは常にストックをかかさなくて、ぬめっとしたエナメルのヒール履いて。昔はオオサンショウウオだったらしいよっていう噂とかあって不気味がられてるの…

そのショップのプライスタグやPOPに、、、なんとなんとオオサンショウウオが!フィーチャーされている!!!なんてこったすばらしい!!!!!
f:id:subrothers:20210408160555j:image鎮座してたはずのリアルサンショウウオ、、どこいった?
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f:id:subrothers:20210408160547j:imageわーい!指の数もちゃんと、手が4本、足が5本!!細かくてギザギザの歯もあって、喜びでしっぽがゆれている~♡♡♡

 

 

↓↓↓鎮座していたリアルオオサンショウウオは、、、無事うちの子に…なっていただいたのでありました!!ちょうどこの時期結婚記念日だったので、母がお祝いに買ってくれた( ´艸`)ママありがとう♡↓↓↓碧水の子によく似た、ダークな色合いの美サンちゃん✨
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先住のさぶたちとも仲良くなったよ~
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 今年3月には屋外ビオトープエリアも完成したとのことなので、また行きたい!

 

【オオサンショウウオに会える!水族館】志摩マリンランド(2021年3月末営業休止予定)後編

オオサンショウウオやメダカたちのいるエリアから進むと、ついに、志摩マリンランドの目玉「マンボウ館」!

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この子たちが体を横にして海面に浮いてたらびっくりするな。浮いてるときは何をしているんだろうか?調べてみよう。 卵をたくさん産むことは有名ですね。

 

私が行った日は春休み前で朝早かったこともあり、貸切状態でゆったりとたゆたうマンボウたちを眺めさせていただきました。ここは外界から切り離された別世界…

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f:id:subrothers:20210328091507j:imageひらがな表記の「まんぼう」も味があってよいです。このフォントがまた…隣のイラストも。よいです…(語彙力不足を痛感)。

 

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f:id:subrothers:20210328092147j:imageまぶた(的な器官)あるんだ!


f:id:subrothers:20210328092151j:imageなんとなく親近感を感じる…寿命がはっきりわかっていないところや、意外と速く泳げるけどゆったり泳ぐのがすきなところなど、オオサンショウウオと少し似てる。 

 

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f:id:subrothers:20210328092905j:image記念メダル!なんと現在は売り切れてしまっているようです💦私が行ったときは、ひともまばらなマンボウ館に大きなストンプ音が響き渡ってドキドキしました…マンボウたちはびっくりしたりするのかな。耳は良いのだろうか

 

オオサンショウウオマンボウを無事見て、メダルも作って安心したところで、、もう一度一周して他のお魚たちの展示も楽しみました。かわいいな。なつかしいな。私にとって水族館の原風景のひとつなんだろうな…(もうひとつは間違いなく碧南海浜水族館)。

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クエとホンソメワケベラは、小学校の読書感想文の課題図書「海からとどいたプレゼント」で出てきて…あの物語がいちばん伝えたかったことは違うことだったかもしれないけど、私にとって水の世界への入り口だったな。主人公の女の子が、水族館で保護されていた、傷ついた(このあたりはうろ覚え)コバルトスズメっていう青い魚をもらってきたんだけど、この魚が実は空中を泳いで会話もできて、海で亡くなった青年兵の母への最期の言葉をクエのおじいさんから預かっていて(青い魚は人と話せる能力もクエのおじいさんから授かったんだったかも)、その母を探すのを手伝う、、そんなストーリーでした。私はとにかく魚と会話したくて、、、家の金魚を毎日凝視して、話しかけてくれるのを待っていた…それ以来、自由研究を水族館でやったり、運動が苦手な私のために両親がせめて泳ぐことだけはと通わせてくれてたスイミングスクールも、それまでよりは苦ではなくなった気がする。泳ぐことができたら、いつかこの素敵な魚たちの世界に、私も近づけるかもしれないと無意識に思ったのかも。などなど思い出していたらうるうるしてしまい…前回志摩マリンランドに来たのはたぶんちょうどそのころだった( ;∀;)30年くらい前!マリンランドも私も若かったな。そして今も変わっていない部分がこんなにあるとは。。。。。

 

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一人で来ても写真が撮れるプリクラはありがたいです( ´艸`)一人で撮ったの初めてだし、プリクラ(今もそう呼ぶのかどうかさえ知らない)じたい何年ぶりかわからない…ほかに誰もいなかったので、いろいろと存分に堪能させていただきました。


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屋上の展望台からの景色。浮かんでいるのは真珠養殖筏。英虞湾の風光明媚な景色、早咲きの桜なのか違う花なのか、きれいな花も咲いていて絶景。


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 志摩マリンランド、51年間ほんとうに、ありがとうございました。

営業再開のニュースを楽しみに待っています…どうか…!!!

 

 

 

【オオサンショウウオに会える!水族館】志摩マリンランド(2021年3月末営業休止予定)前編

昨年2月以来13か月ぶりに、ちょっと遠くへお出かけしてきました。

目的地は三重県志摩市、賢島にある「志摩マリンランド」!

www.kintetsu.co.jp

オオサンショウウオが飼育されている水族館ということで、いつか行ってみたいと思っていました。私が住んでいる名古屋からそれほど遠くないし、いつでも行けると思っていたら、なんと2021年3月末をもって、営業休止してしまうというニュースが。

1970年に開館され、約51年間営業されていたとのこと。私も小学生の頃家族旅行で賢島に遊びに行き、その時に水族館にも行ったので、それは間違いなくこの志摩マリンランドだったはずです。

コロナウィルス感染拡大が始まってから遠方への旅行は控えていますが、学校が春休みに入る前に、平日にさぶズと日帰り旅なら…と、朝6:50名古屋発の近鉄特急賢島行きに飛び乗りました。乗り換えなしでまっすぐ行けるのでとっても安心!8:56には賢島に到着。

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改札を出たら右に曲がって、そのまま線路沿いの坂道をのぼっていきます。看板があるので迷いません。ありがたや。

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チケットを買って入場すると最初に目に入るのはペンギンプール🐧広くて水が澄んでいて、ペンさんたちがのびのび泳いだり駆け回ったりしてる印象。

そして建物の入り口には「水族館・古代水族館」の文字。古代??と思いつつ進んでいくと、「古代化石ゾーン」というエリアが!

こういう絵たまらん…

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うーん、、ワクワクします(*゚▽゚*)

生物の進化年表や系統図的な資料が展示され、地球誕生から新生代までの海と生物の歴史を解説してくれています。

古くから姿をあまり変えていない「生きる化石」といわれる生き物たちを解説付きで見せてくれるのもうれしい。↑三枚目の写真の水槽にはカブトガニが、活発に動き回っていました。かわいい…♡

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 珊瑚礁の海や近くの海の魚や生き物たち、クラゲなどを楽しく眺め、回遊水槽でダイナミックに泳ぐ大型の海水魚たちにみとれつつ順路に沿って進んでいくと、こんな子が! 

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幼生時の形、鰓を持った状態のままおとなになる、幼形成熟ネオテニー)として知られるアホロートルウーパールーパー)が、なんと変態して鰓がなくなり、陸上生活に適した体になってしまったのだとか…!

初めて見ました。すごく不思議な感じがするけれど、美人…!!!

ちなみに一緒に暮らしていたほかの子たちはふつうに、おなじみのウーパールーパー姿でした。この子に何が起こったんだろう… 

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さて次は志摩マリンランドのトップスターであるマンボウさんのいるマンボウ館!にわたる途中のエリアに、お目当てのオオサンショウウオ、いました~!!!

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まえあしで頭をもちあげてる…このポーズってオオサンショウウオのかわいいポーズの一つだとおもう…

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左目の周りに濃い色の斑紋があって、ちょっとパンダな感じになってる!かわいい!!

ちなみに2頭います。木津川流域でのダム建設で生息地が減少してしまうため、保全対策として伊賀市に設けられた保護池の人口巣穴で繁殖した子たちなのだそうです!平成14年と15年に生まれた子?繁殖したっていうのはここで生まれたっていう意味だよね?二人ともハイティーンなのですねー♡立派に成長して嬉しいですね✨

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この場所には計30分ほど滞在しました。

朝イチで入ったのでお客さんもまだそんなにたくさんいなくて、、誰もいないのを見計らって相当何度も水槽にはりつかせていただきました。ゴメン

どの角度から見ても文句なしのかわいさです。色は淡めで、お顔のぼつぼつは多めです。

前編はここまで。次はいよいよマンボウ館に足を踏み入れます!入口の看板のような子がほんとうにおよいでいるのでしょうか…?!

飛鳥人が見たオオサンショウウオ

現在残っている、日本最古のオオサンショウウオについての記録とは?

そんな疑問にかられ、手持ちの本でそんな記述がないか調べてみたところ、ありました!

どうぶつ社の自然誌選書、小原二郎さんの「大山椒魚」。

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小原二郎「大山椒魚どうぶつ社

オオサンショウウオ道の大先輩にすすめていただいて初めて購入した、オオサンショウウオについての本です。ことあるごとに読み返しているのですが、この本の中で、オオサンショウウオを目撃した記録が載っている古典が挙げられていました。

それによると、

 

619年 摂津に住む漁夫が、堀に入れた網に「魚でもない、人の子供のようだがそうでもない、奇妙なものがとれた」(日本書紀)←!!

 

797/8年 宮殿の庭にある溝の中から変な魚がとれたが、それは山の沼にいるものである(日本後記)

 

852年 近江で猿に似た魚が獲れ、献上された。老人たちは、それは「椒魚(サンショウウオ)」であり、昔見たことがある、と言った。(文徳実録、藤原基経

 

人魚感、ありますよね。手とか赤ちゃんっぽいし。

顔も、目と目の間が離れていて口が横に大きくて…このタイプの顔好きなんです、キャメロン・ディアスとか。

ジュゴンが海の人魚なら、オオサンショウウオは川の人魚ということですね。

ということを、619年、摂津の漁夫も感じたわけですね。

摂津ってどこだろう?

ja.wikipedia.org

現在の大阪府北中部の大半と兵庫県南東部にあたるとのこと。ふむふむ。

619年ってどんな時代かというと、なんと推古天皇聖徳太子の叔母さま)の時代なんですね。飛鳥時代です。オオサンショウウオ3000万年の歴史からしたら大したことなくても、1400年前にオオサンショウウオをつかまえてしまった漁夫の驚きを想像するとロマンです。

 

次の797年ですが、こちらはどんな時代かというと、坂上田村麻呂征夷大将軍として東北地方の蝦夷を鎮圧したのがこの年。

この宮殿は都:794うぐいす平安京のことでしょうか。その庭にある溝にオオサンショウウオがいたと。そしてそれは山の、沼にいるものであると。

…沼?

そしてオオサンショウウオの印象は「変な魚」。

これはもう少し、掘り下げて調べたくなります。この場にいた人がいたら話を聞きたい。誰かが山から連れてきて、宮殿の庭の溝に放したの??

 

そして852年。ざっくり平安時代ですね。このときの都は平安京

近江はなんとなくわかるけど、滋賀県。琵琶湖のある、2018年には日本オオサンショウウオの会全国大会が開催された、滋賀県ですね。夜間観察会で、生息地にも少しお邪魔させていただきました。

ja.wikipedia.org

 

そして、獲れたオオサンショウウオが、献上されたんですね。天皇に?

やはり、珍しかったのは間違いなさそう。今も昔も、年長者の「昔見たことがある、そいつはね、○○じゃよ」っていうやつ、いいですよね。

 

古典や日本史についての知識がなさすぎて、背景が読み取れていませんが、オオサンショウウオについての日本最古の記録は、どうやら飛鳥時代に遡るようです。

 

読み書きができて本を残すことができた人なんてほんの一握りでしょうから、ごく普通に、生息地でオオサンショウウオと共存していた生活人たちがどんなふうに彼らと関わっていたのかはまた別な面がありそうですが、、、

先人のみなさまが記録を残してくれて、それを小原先生が読みやすい本に書いてくれて、その本を先輩がすすめてくれたことに感謝です♡

 

 

 

 

 

 

 

 

オオサンショウウオとヒトとの出会いは…

初めてオオサンショウウオという生き物を間近で見たときの衝撃は、忘れがたいものがあります。2013年の8月、私はすでに30歳をいくつか過ぎており、それまでにまあまあいろんな生き物を見てきたつもりでした。

子供の頃から泳ぐ魚が好きで、金魚やメダカはもちろん、庭を走り回るトカゲやカナヘビや蛙をつかまえて飼ったり、小学生のときにホームセンターで買ってもらってクサガメを飼ったり(30年以上経って立派な黒化オスとなった彼は、今も実家で元気に生きています)。おとなになってからは、ジュゴンやイルカなどに惹かれたりしていました。

前年に開館したばかりの京都水族館に遊びに行き、イルカショーを見たくて、入館後すぐにスタジアムへ行こうと急いでいました。入口すぐの「京の川」ゾーン、低めで幅広な水槽に展示されていた、折り重なるたくさんのオオサンショウウオたち(交雑種)。

そのうちの一匹が、岩のように見えていた一匹が、呼吸をしようとしたのでしょう、水底からふわあと立ち上がり、短いまえあしをぷらんとさせながら、平たいあご裏を惜しげもなく、水槽のガラス(?アクリル?)越しに見せてくれたのです。

釘付けになりました。水槽の前にしゃがみこんだまま、動けませんでした。

なんといっても驚くのは、このタイプの生き物としては破格のサイズ感。でかすぎます。

実際、サンショウウオの仲間の中で、オオサンショウウオ科の子たちだけが、急に別格のでかさなのです。ざっくり大きく分けて、日本固有種のオオサンショウウオのほか、チュウゴクオオサンショウウオ※、アメリオオサンショウウオヘルベンダー)の3種類がいますが、いずれも成体の全長は30cm以上、特に大きいものだと150cmくらいになる個体がいる種も。

※チュウゴクオオサンショウウオの種については、1種だと思われていたのが実は少なくとも5種以上に分かれていたことが判明したそうです。最新の研究がどうなっているのかは追い切れていないのですが…ご存じの方、ぜひご教示ください!

natgeo.nikkeibp.co.jp

ほかのサンショウウオたちは10cm台の子たちが多いので、やはり異常にでかいといえるでしょう。

 

動物園や水族館でオオサンショウウオの水槽の前にしばらくいると、こんな会話をよく耳にします。

「川でいきなりこんなんいたらびびるよな~」

「こわすぎwww」

私は半島育ちで、磯の生き物にはなじみがありますが、川遊びってほとんどしたことがありません。郡上でカヌーに乗ったことはあるけど、生き物に出会えるような感じじゃなかった(わりとウェーイってしてた)…もし日常的に川で遊んでいて、岩の下からこの子たちがぬっと登場したら、、どんなふうに感じるんだろう?

そして3000万年前から姿を変えずに存在しているというオオサンショウウオは、人類よりもずっと前から日本列島に棲んでいるはず。人間が初めてオオサンショウウオに出会ったのはいつなんだろう?オオサンショウウオとヒト、両者は互いにどんなふうに感じ、どんな関係を築いてきたのだろう。そんなことを知りたくなった、2021年のお正月。

 

今年のオオサンショウウオ初めは、私の最愛推しサンである、東山動物園のお外水槽オオサンショウウオちゃん(ちなみに女の子だそうです)。オオサンショウウオの体の色はほかの両生類と同じように、周りの環境に合わせて多少変化するそうです←東山動物園でこの子の担当をしてくれている飼育員様に教えていただきました✨。…そういえばアマガエルが、葉っぱの上では緑色、石畳に飛び移ったら霜降りグレーになる瞬間を目撃してめっちゃくちゃ興奮したのを思い出す…!が、このレディは冬、特に綺麗な色をしている印象があります。昨日はお水が澄んでいたこともあるのか、一段と美しいブラウンでした。小さなおめめもくりっとしていて、奇跡の生き物オオサンショウウオの魅力をあらためて堪能させていただきました。

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東山動物園お外水槽のオオサンショウウオちゃん

 

 

 

「山椒魚戦争」文学の中の山椒魚

全国のオオサンショウウオ好きが集う団体、「日本オオサンショウウオの会」をご存じでしょうか。

https://www.giantsalamander.net/

オオサンショウウオの保護活動や研究調査をしている人たち、動物園や水族館でオオサンショウウオ飼育に関わる人たち、そしてオオサンショウウオが暮らす河川の工事や行政にかかわる人など、様々な立場の「これからのオオサンショウウオとの接し方を真面目に考える人たち」が、気軽に情報交換できる場となることを目的として発足された会です。

学会などとは違い、これからのオオサンショウウオとの接し方を真面目に考える人であれば、学者さんや飼育員さんじゃなくても、一般のオオサンショウウオファンでも入会できる素敵な会。ちなみに年会費は1000円です。

2013年夏に京都水族館オオサンショウウオという生き物に一目ぼれして以来、各地の水族館や動物園でオオサンショウウオがいれば必ず見たり、両生類の図鑑を買って眺めたり、近所の東山動物園のオオサンショウウオを毎週のように見に行ったりと、夫とふたりだけでオオサンショウウオを愛でていたのですが、

古生物好きの妹(イラストレーター・恐竜倶楽部会員)に、「オオサンショウウオにはファンクラブとかないのかな?」と言われて探してみるうちに、2017年秋、たどり着いたのがこの会でした。

日本オオサンショウウオの会は、毎年10月ごろに「全国大会」を開催しています。

#ちなみに2020年は、10/16~18、兵庫県朝来市での開催が決まっています^^詳細は夏ごろ発表とのこと!!会員じゃなくても参加できるし、当日会場で入会手続きすることもできますよ😊

私は2017年、鳥取県南部町での大会に初参加し、2018年の琵琶湖大会では初めての物販ブース参加をし、そして2019年、岡山県真庭市での大会では物販に加えて、念願のポスター発表をさせていただきました。テーマは以前から温めていた「文学の中の山椒魚」。物語に登場する山椒魚といえば、教科書にも載っていた井伏鱒二の名作を思い浮かべる方も多いと思いますが、オオサンショウウオが出てくる小説、実はほかにもあるんです。今回取り上げたのはチェコの大作家カレル・チャペックの長編SF傑作、「山椒魚戦争」です。

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山椒魚戦争」ポスター発表

数年前、オオサンショウウオのファンになったばかりの私に「面白いぞ」と父がくれた一冊の本。それが、チェコ語からの完訳版「山椒魚戦争」岩波文庫でした。
物語の舞台はチャペックが生きた、第二次世界大戦前の、ナチスが台頭してきた時代です。

南海の秘境でオランダ商船の船長に発見された架空の海生山椒魚「アンドリアス・ショイフツェリ」が、素直でおとなしい性質と高い知能によって人間の文明社会に適応し、人間の労働を肩代わりするようになっていきます。各国の人間たちは互いに牽制しあいながら山椒魚を利用して自国の利益を拡大しますが、やがて数が増え過ぎた山椒魚たちは、棲む場所を求めて、人間の住む陸地を沈め始めます…

この作品は1936年に発表され、その2年後には作者チャペックが病死、翌年1939年に第二次世界大戦がはじまると、チャペックの祖国チェコを侵略したナチスによって発禁処分となります。ナチスをはじめとする民族主義を風刺する内容だからです。
そのような状況で、自身の身を危険にさらしながら(現にチャペックが亡くなったことを知らずにナチスは真っ先に彼を逮捕しに自宅まで来ていますし、カレルの兄である画家ヨゼフ・チャペックは強制収容所で亡くなっています)書かれたこの作品。

緊迫した時代に書かれた終末物語でありながら、この物語には全編を通して、何とも言えないユーモアと悲哀と愛らしさがあふれていて、私にはその理由が、主人公がほかならぬ「人間サイズの山椒魚」であるからだとしか思えないのです。

山椒魚のかわいいシーンに萌えるだけでも読む価値のあるこの小説を、オオサンショウウオの会に来場する皆様に、かわいいオオサンショウウオシーンだけでもみてほしい…そして数々の名シーンをイラストにしてもらうことはできないだろうか……
そんな思いでイラストレーター・彩乃さん(妹)に持ち掛けたところ快諾していただけて、かわいいシーンのイラスト入りの素敵な布ポスターが完成しました!!!!!イラストをもっと大きく見たいですか?…ですよね!!!!!!

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1.ヴァン・トフ船長、謎の山椒魚にひとめぼれ

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2.飼育員に新聞を読み聞かせる動物園の山椒魚

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3.謙虚な大学者、シャルル・メルシェ博士(山椒魚

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4.直立する高貴な北方山椒魚

 

物語そのものは、前述したように、架空の山椒魚に人間の姿を演じさせて描いた終末SFで、その後の第二次世界大戦→冷戦、という歴史の流れを考えると、チャペックの慧眼と人間の愚かさ加減を実感してしまうのですが、

チャペックが、「人間が自ら創り出したものによって滅亡に追い込まれる」ことを予見して警告していたことは確かだと思います。しかしこの作品でチャペックが伝えているのは、「自分さえ、自分の国さえよければいい」と自分たちの利益だけを守り広げようとしているうちに、潰し合いになってみんな滅びてしまう危険についての警告です。

科学技術の発展は素晴らしい、人類の叡智だと私は思います。電気のなかった昔に戻ることはできないし、インターネットのおかげで生き方も変わって、自分にとっては世界はより楽しいものになりました。そのかげで失われていくものがあって、もしも、この美しく魅惑的な生き物、オオサンショウウオがそういうものの一つだとしたら、まだ間に合うから、人間の良いところを、彼らと共存するために、守るために発揮したいと思うのです。。。

【旅行記】湯原温泉郷②:はんざきセンターとはんざき大明神、そして…

はんざきセンターへの道すがら、オーナーさんが話してくれたのが、この地方に伝わる「大はんざき」についての伝説。

昔このあたりには人間を食べてしまう大はんざきがいて、村の若者が退治したところ、この若者の一家がみんな死んでしまったそうな。これは大はんざきの祟りだ!ということで、村人たちは祠を作って大はんざきを祀り、祟りを鎮めたのだとか。それがこの、

はんざき大明神!!f:id:subrothers:20180926193907j:image

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 今では人々の願いを叶えてくれたり、運勢を占ってくれたりと、人間にとって優しい大明神になっているようです。

みんなに畏れられる存在だから、そしてとても大きいから、だから湯原のはんざきイラストは、ちょっぴりおどろおどろしい感じさえある、迫力あるはんざきなのね。ふだんはキュートなオオサンショウウオキャラクターに慣れ親しんでいるので新鮮。少し怖いところも、オオサンショウウオの魅力だよね。

 

さてさて、神さまとしてのはんざき、街中にあふれるはんざき、そういういわば概念としてのはんざき?で満たされた心がこんどは、

実体としてのオオサンショウウオを求めているーーーーー(●´ω`●)

そんなニーズに思いっきり応えてくれるのが、ここ、はんざきセンターです!!!!!ついにやって来たぜよ〜!!!!!!!

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 きれいな水槽に元気なオオサンショウウオ、湯原ならではの豊富な資料、ここはオオサンショウウオの城です(๑>◡<๑)オオサンショウウオファンのみなさまには、ぜひ現地に足を運んで、見てほしいです!

 

そしてこの敷地内には、

じゃーーーーーん!この方々の巣穴があるのです!!大はんざきのお神輿、はんざき太郎さんとはんざき花子さん(๑>◡<๑)

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伝説の大はんざき並みの大きさ、巨大ハンバーグみたいな平たい顔のお二方。

おふたりは毎年8月8日の、岡山が誇るもんげーお祭り、はんざき祭りで大活躍するのです。

 

そしてこちらの、はんざきねぶたも。

柵の隙間から見える真っ赤なお口が、迫力…!

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はんざき祭りの夜、あやしく光り輝く大ねぶたを想像して、さぶもうっとり…